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「性選択と利他行動」

性選択と利他行動―クジャクとアリの進化論性選択と利他行動―クジャクとアリの進化論
(1994/07)
ヘレナ クローニン

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ノート


第1章
 ホイッグ史観:過去というものは現在の輝かしい勝利へ向かっての必然的な歩みであったとする。
第2章
 これと似たようなシステム
  ・自己制御的な機械
  ・互いに関連のない偶然の要素が集まって高次の秩序を作り出す「見えざる手」などのような考え
 生物の分類学→生物は全能の設計者の優美な職人芸というよりは、熱心な日曜大工の下手くそな作品に近い。
第3章
 延長された表現型
 遺伝子中心の見方:個体中心の見方は非常によい近似であったので、これまで成功をおさめてきた。
現代ダーウィン理論にとって、適応に損失は付き物だが、古典的ダーウィン理論では付帯条項だった。
ダーウィン「目のことを考えると寒気がするほどだった。」
適応についての最も重要な質問
「それはどんな利益をもたらすか」→「それは進化的に安定か」
ドーキンス(BWM):なぜサソリは反撃するのか?そうすれば自分の包括適応度が上がるからではない。包括適応度は上がらないのだ。サソリは・・・反撃がESSだから反撃するのだ。
スミスの進化のゲーム理論:ある特定の表現型の適応度が集団中のその表現型の頻度に依存しているときの表現型レベルの進化について考える方法。
エルンスト・マイヤー(米)「進化学者の間に、多様性(種分化)と適応(系統進化)のどちらを一番の興味とするかによって本質的な違いが存在することは見過ごされがちである。」
第4章
 マイヤーの創造者原理:特定の遺伝子型が偶然地理的に隔離されることにより新しい生物の集団が形成される。
アロメトリー:
プレイヨメトリー:表現型の「意図しない」副次的効果
 適応論者であったウォレスは、どのようなときに適応的説明をするべきかという質問に関心を持っていた。

第5章
 ダーウィン「クジャクの尾羽を見るたびに気分が悪くなる。」
・一夫一妻の種では、メスの選り好みがどうやって選択圧となれるでしょうか?
 ダーウィンの答:繁殖の開始の早さと成功度には関連がある。
 フィッシャーの指摘:繁殖を早く開始しようとする傾向は遺伝的に決められたものではない。→ダーウィンの説明は可能
第6章
 安定性選択:平均的なタイプを有利とさせる選択
 ウォレス:性選択を否定し、自然選択で説明しようとした。
 ダーウィン:自然選択は、両生に遺伝するものを伴性遺伝に変える力はない。→ウォレスの言う、保護と認識のための選択は働かない。
ダーウィニズム
 遺伝と発生の制約がもたらす影響に重きを置く一派
 選択の驚くべき力に重きを置く一派
第7章
 動物に審美眼の力があるのか
  ウォレス:ない。(美的センスは人間だけ)
  ダーウィン:識別能力と好みはある。(ヒトと動物は段階的)
第8章
 ダーウィンはコストについて取り上げなかった。
ダーウィン:「美しさのためだけの美しさ」
ウォレス:「可愛いだけの尾ではない」
現代の研究成果:「指標」「利益の葛藤」「進化的軍拡競争」
ザハヴィのハンディキャップ理論
 メスが鋭い目で見ているのに、不正確な宣伝をすることは進化的に安定ではない。
 偽物を作るのが難しいような重荷が進化する。
ダーウィンの審美眼説は、雄の装飾を説明できますがメスの選り好みを説明しない。
ウォレスの効用論説は、雌の選り好みを説明出来るが、雄に特有の派手な装飾を説明できない。
第9章
「相関関係は因果関係ではない」
「nのインフレ」100種のデータを調べても、それらが共通の祖先から由来するかも知れないので、ある形質が進化的に独立に生じた回数を数えなければならない。(Ridkey 1983)
 種間比較 ⇔ 種内の相関
第10章
 「最も美しいものの増加」
 the survivai of the fittest/luckiest/sickest

第11章
チスイコウモリの吐き戻し:長い間同じ巣穴を利用する
利他行動
 血縁選択
 互恵的利他行動
 ハンディキャップ理論
 操作
ブルース効果:雄のネズミが、他の雄によって受精された雌の卵の着床を防ぎ、早急に雌の発情を回復させることにより、自分自身と交尾させるようにすること。
・操作ということによって、私たちはついに、自ら進んでではないけれども本当の意味での利他行動を発見した。
  遺伝子           助ける相手
 血縁選択          近縁者の中にある自分のコピー
 ハンディキャップ理論    自分自身
 互恵的利他行動       自分自身
 拡張表現型による操作    自分自身
第12章
 経済学におけるレッセフェールの考えが、ダーウィンを非妥協的な厳しい自然観に駆り立てた。
「集団のための利益」論が、利他行動を見えにくくした。(群選択)
フィッシャーとホールデンは荒っぽくではあったにせよ、1930年代にはもう行くべき道を示していた。
ライトの「集団間選択」は混乱を招いた。
選択の単位は複製子で、個体は適応の単位である。
第13章
不妊のワーカーはどんな利益を得ているか。→「集団の利益」
ダーウィンは好まれる野菜や霜降りの牛肉の例で、血縁選択に近いことを説明している。(1)不妊虫が自分では繁殖しないとしても、彼らの形質は他個体によって再生産される。
(2)不妊虫の形質は、繁殖虫の繁殖成功に影響を与えるので、不妊形質を潜伏させている繁殖虫を通して、不妊虫の形質にも選択が働ける。
現代の知識を持ってすれば、社会性昆虫の問題に認識においても、古典的ダーウィン理論は、ダーウィンを越えることが出来なかったことが分かる
第14章
 ローレンツは一貫して、自然選択は「種の利益」のために働くと語っているが、彼が本当に何を言いたいのかは、明らかではありません。ときには個体の利益以上のなにものも意味していないように思われることもある。ローレンツのダーウィン理論はあまりにも混乱している。もっとも屈託のない「種の利益」信奉者である。
第15章
利他行動(自己犠牲)についてのダーウィンの考え
 仲間に対して忠誠で、自己犠牲の強い個体はその性質を受け継ぐ子を残さずに死ぬことがしばしばあるだろうから、そのような形質が自然選択を通じて増加することはほとんど不可能であろう。
→それに対する説明
(1)相互利他主義
(2)集団のための自己犠牲は、集団間競争に有利なので進化し得る。
 人間性についてダーウィンは、今日のようにホモセクシュアルや離婚率の比較、社会階級、攻撃的な遭遇、家族関係などの事例を調べるのではなく、もっと感情に、つまり愛と憎しみ、嫉妬、寛容さ、誇りと恥、遺恨、感謝、同情と意地悪の感情に興味をそそられていた。
・どんな遺伝子も、その唯一の表現型効果などというものは存在しない。
例:もし、ホモセクシュアルの遺伝子があるとしたら、更新世の環境ではまったく違う表現型効果を持っていたのかもしれない。
・条件がいろいろ変わっても、それとは関係なく常に同じように現れる人間行動のパターンはあるか。
ダーウィン「どの人種の人間においても、微笑みによるよい感情の表現は同じであるようだ。」
アイブル=アイベスフェルト:生まれつき盲目で、真似るべき微笑みを一度も見たことがない子どもでもあてはまる。
・ダーウィン論者が語るべきは、行動ではなく規則(炎に飛び込む蛾の例)
前適応:どんな適応にも「意図しなかった」性質が伴います。それらは、最初に出現したときには何の有効な目的もないでしょう。しかしあとになって、それらが何か適当な役にたつことが生じてくれば、自然選択はそれを使用に供するでしょう。その元の適応を前適応という。
ウォレス:自然選択の擁護者で超適応論者であったが、人間の道徳感情についてだけは心霊的なものに頼っていた。
ハックスレー:人類の道徳は文化的進化のみの結果であり、自然選択の支配に対する闘い、つまり自然の成り行きに対して意識的に懸命に介入したことの結果であると信じられるようになった。(群選択的)
スペンサー:道徳はヒトに特有のものではあるが、それでも生物進化の産物である。(ウォレスやハクスレーよりもダーウィン的)しかし、その進化的力については、自然選択を除外し、獲得形質の遺伝に頼った。
第16章
 現代のダーウィン理論では、1つの種があるところで自然選択がそれを2つに分けるような力を働かせるとは考えていない。種分化はたぶんに偶然の出来事で、集団が2つに割れるのはたまたま地理的な具合がそうであったなどの、単なる偶然によると考えています。自然選択がそこに入り込んでくるとしても、それは最終段階でおおかたできあがってしまっているものに最後の仕上げを加えるくらいのことです。
遺伝的浮動:ある世代の遺伝子がその前の遺伝子のランダムサンプリングの上に自然選択が働いて選ばれているのではなく、サンプリングエラーによって選ばれるもの。
異所的種分化:地理的隔壁が決定的な役割を果たす種分化⇔同所的 ex.染色体倍加、食性の変化 ※超所的(半地理的、半同所的、平衡所的)
雑種ブレイクダウン:雑種である子は繁殖力があるが、その子は不妊であること。
配偶の好みが隔離機構として働くように自然選択がそれを強化していくという現代的な考え。
ウォレス効果:繁殖隔離に対する選択のプロセス
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theme : 生物学、生態学
genre : 学問・文化・芸術

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 進化生物学を学ぶアマチュアです。本業は数学教師です。ほとんど自己満足の日記と化してますが、コメントどんどん下さい。質問・議論・アドバイスも歓迎です。

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