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貴志祐介「天使の囀り」

 北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。恋人で作家の高梨は、病的な死恐怖症だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように、自殺してしまう。さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。
 アマゾンで、いったい何が起きたのか?高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は、何を意味するのか?前人未到の恐怖が、あなたを襲う。
天使の囀り (角川ホラー文庫)天使の囀り (角川ホラー文庫)
(2000/12)
貴志 祐介

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 さて、進化論のblogに何故小説のレビューか。それはこの本が進化学を知っている人、進化学をかじっている人には2倍楽しめるだろと思ったからです。以下のネタバレを読むと、その2倍の楽しみが1倍になってしまいますが(笑)、紹介します。
【ネタバレNG】の方、普段から癖は付いているかも知れませんが、登場する生物の行動を適応的に見てみて下さい。きっと楽しめることと思います。多分・・・。w

【ネタバレOK】の方↓
 あらすじは上にあるとおりです。物語にはアマゾン探検隊が登場し、霊長類の研究者も出てきます。それで、まぁ、複数の生物についての知識がこの物語のキーとなるのですが、ちょっと進化について勉強した人なら「くすっ」となること請け合いです。
 引用します。

 本来、世界を正確に記述することと、人間が幸福に生きられるようなヴィジョンを示すことは、無関係である。ドーキンスの『利己的な遺伝子』などはそのギャップを示す最たるものであり、すべての生命が遺伝子の乗り物でしかないという考え方は、たとえ事実であったとしても、我々を裸で酷寒の宇宙に向き合わせ、凍えさせる。


 また、アマゾンの場面で登場する生物は、オマキザル、クモザル、モンクサキ、ウアカリなどのサルん、オウギワシ、ジャガー、植物ではブロメリアという具合です。もう1つ、確かドーキンス『延長された表現型』で紹介されてたと記憶してる生物、引用します。

「脳虫は、人間の寄生虫ではない。たとえば、非常に有名な例としては、扁形動物門吸虫綱に属する、Dicrocoelium dentriticumが挙げられる。中間宿主はカタツムリとアリ、終宿主は羊で、必ず、順番にその三者の体内を経なければ、成熟することができない。カタツムリからアリへ移るのは比較的容易だろうが、アリの体から羊に乗り移るというのは、我々が考えても、かなりの難問だ。この吸虫は、アリの脳である食道下神経節に穿孔し、その行動を制御することによって、このネックを見事にクリアーしている。」


 草の先端に噛みついてじっとするという行動をとるんでしたよね。それで羊にめでたく食べられるという。するどい方はそれだけで分かってしまうかもしれませんが、キーワードは「延長された表現型」です。読み方としてはどこまで本当で、どこからがフィクションという風に考えながら読むのもアリかと。
 と言っても、このblog読者いないんだよなぁ。。。(悲)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

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 進化生物学を学ぶアマチュアです。本業は数学教師です。ほとんど自己満足の日記と化してますが、コメントどんどん下さい。質問・議論・アドバイスも歓迎です。

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