スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「右利きのヘビ仮説」

右利きのヘビ仮説―追うヘビ、逃げるカタツムリの右と左の共進化 (フィールドの生物学)右利きのヘビ仮説―追うヘビ、逃げるカタツムリの右と左の共進化 (フィールドの生物学)
(2012/02)
細 将貴

商品詳細を見る


目次
第1章 生き物の右と左
1 体の左右がひっくり返るという進化
2 左巻きのカタツムリ
第2章 右利きのヘビ
1 「右利きのヘビ仮説」
2 スロー・スターター
3 右利きのヘビ、発見!
4 博物館のチカラ
第3章 西表島で調査する
1 島の暮らし
2 調査生活
3 夜の森にひとり
4 幻のヘビ
第4章 検証・右利きのヘビ仮説
1 奇跡の実験
2 博士を目指す
3 研究の終着駅

朝日新聞書評【2012/04/22】
 この世に「右利きのヘビ」なるものが存在して、右巻きのカタツムリ食に特化しているようだ。カタツムリの大多数は右巻きであり理にかなっているが、右利きヘビの存在は、期せずして、少数派の左巻きカタツムリの登場をアシストしたかもしれない、等々。何重にも「びっくり」な仮説を、大学の学部時代に思いついてしまい、遠く「旅」をして実証するまでを語る。
 まさに冒険の旅だ。行動生態学に軸足を置きつつ、解剖学(カタツムリ食のヘビで、下顎の歯の数が左右で違うことを発見)、沖縄のフィールドでのヘビ採集、屋内での捕食実験、生物統計学を駆使しての論文執筆と進む。白眉は、苦労の末採集した「右利きのヘビ」が「左巻き」のカタツムリを補食できないことを実験で示し、大風呂敷な仮説を裏付ける部分か。
 フィールドでの工夫、論文投稿の苦労、大学院生の不安等々、過剰なまでの情報が自然に詰め込まれており、人間臭い「冒険書」となっている。



 この話題は随分前に聞いていた。非常に面白いと思い論文か本になったら読みたいと思っていた。どっかのデータベースで映像も見た気がする。これはアマゾンでポチらないとなぁ。


【第38回 駒場進化セミナー THE FINAL 】
日時 :2010年3月19日 (金) 16:00~最長19:00まで
場所 :東大駒場キャンパス15号館1階104号室
タイトル:右利きのヘビと私と,次世代型生態学者について
講演者 :細将貴(東北大・生命科学)

要旨:「実社会から逃避して、大学に留まる人をいたずらに増やしてしまう側面も否定できない」。2009年11月,政府主導の「事業仕分け」において,日本の基礎科学を実質的に担っているはずのポスドクを評して発せられた有識者の言葉である。結局国家予算に反映されることはなかったものの,一連の「事業仕分け騒動」は基礎研究者,中でもポスドクや学生に大きな衝撃を与えた。そしてそこから得られたはずの教訓は,このままではダメだということである。たとえば,研究者は論文を書いてさえいればよいというモデルは,もう通用しないかもしれない。ではどうすればいいのか。考えるべきことはたくさんある。そこに含まれるのは,科学の存在意義とは何か,価値とは何かといった根本的な問いであり,あるいは,この先安定して食べていくためにはどうすればいいのか,そこに専門性を活かす余地はあるのかといった個人的な苦悩である。そこで本発表では,とりあえず私のこれまでの研究成果を洗いざらい紹介したのちに,今後の科学者,とくに生態学者のありようについて,ご参加の皆様と一緒に考える時間を持ちたいと思う。なお,タイトルは大仰ですが,別に退官記念講演でも何でもないことを申し添えておきます。

[研究発表の要旨]
カタツムリには, 巻きの逆転という極めて単純でユニークな種分化の様式が知られている。カタツムリの殻の巻き方向は種ごとに固定されており,多くの種は右巻きである。巻き方向は母個体の遺伝型によって決定され,その基盤となる遺伝子(逆巻き遺伝子)は一遺伝子座上にあると考えられている。興味深いことに,巻きの逆転した個体はノーマルな個体と交尾することが困難になる。そのため逆巻き遺伝子が個体群中に固定されることは他の個体群との交配前隔離の確立,すなわち種分化に直結する(一遺伝子種分化)。ところが,出現初期の逆巻き個体は集団中の大多数と交尾ができないため,適応度を低下させてしまうはずである。そのため,一遺伝子種分化は非常に厳しい条件のもとでしか達成できないということが,理論的に予想されてきた。私はこの問題に対し,多数派である右巻きカタツムリに特化した捕食者の存在下では,巻きの逆転による左巻きのカタツムリの種分化が起きやすいという仮説をたて,検証を進めた。この検証の過程において私は,脊椎動物で新奇形態を発見し,熱帯の生物多様性を解く鍵を拾い,共進化と島の生物地理学理論との接点に触れ,動物の自切行動が生態系機能に及ぼす可能性に気づき,記憶という表現型可塑性が大進化に連続していくさまを垣間見ることができた。本発表では,仮説検証の顛末とともにこれらの付随した研究の成果について詳細に紹介する。
スポンサーサイト

comment

管理者にだけメッセージを送る

買いました。

 面白かった!久しぶりに面白い本を読んだ。進化生物学の知識がなくても読める。生物学の知識があればより楽しめるし、科学哲学のようなものに興味がある人にとっても面白いと思う。
 「右利き」のヘビというタイトルもキャッチーですよね。高校生の課題図書にちょうどよい難易度ではないでしょうか。生物好きな高校生のとてもお勧めできますね。

 大学、いや大学院行きたいなぁ。
プロフィール

AmateurD

Author:AmateurD
 進化生物学を学ぶアマチュアです。本業は数学教師です。ほとんど自己満足の日記と化してますが、コメントどんどん下さい。質問・議論・アドバイスも歓迎です。

カテゴリー
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
リンク
ブログ内検索
月別アーカイブ
RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。