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「ミミズと土」

ミミズと土 (平凡社ライブラリー)ミミズと土 (平凡社ライブラリー)
(1994/06)
チャールズ ダーウィン

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 ライエルは「地質学原理」で、地質現象はきわめて長い時間でゆっくりと起きると言った。例えばグランドキャニオンや大きな山も少しずつの変化が積み重なって完成されたものであると。
 ダーウィンはそれにヒントを得て、「種の起源」を著した。生物の進化も小さな変異の累積によって起こるということですね。
 そしてこの本書ですが、ミミズのような小さな生物でもその働きが長期間にわたって累計されれば、景観を形作り、土壌を形成できると言っています。

単にミミズの習性を述べただけの本ではないのです。


第一・二章 ミミズの習性
[結論]

 ミミズが世界中の多くの、あるいは、すべての地域で、そして、全く異なった気象条件下で、地表に細かい土を持ち上げるという大きな仕事をしているということを示すに十分な事実が、ここに示されたのである。



第三章 ミミズによって地表に運び出される細かい土の量

 砕いた大量の白亜を、私の家の近くの僕措置の一面に1842年12月2日にまいた。そこは30年以上は確実に、おそらくはその2、3倍の年月にわたって牧草地であった。白亜をまいたのは、それが将来どのくらい深くまで埋められるかを観察するためであった。1871年11月の終わり、すなわち、29年後に、一本の溝をこの一画を横切るようにして掘ったところ、白い小さな団塊からなる一本の線が表面から7インチの深さのところの、溝の両側に見つかった。ということは、肥沃土は(芝を除いて)1年に0.22インチの平均速度で持ち上げられたことになる。(以下略)

 すごい・・・。なんというおそるべき気の長さ。30年後を見越しての実験の準備・・・。感動しました。


[結論]

 ミミズは主として、通常4~5インチから10インチ、さらには、時には12インチもの厚さになる肥沃土の表層に生息する。この肥沃土はミミズのからだを何度もくりかえし通り、地表に運び出されたものである。(中略)
 最後に、この章の中で述べた事実―地表におかれた小さなものが埋まり、大きな石が沈むこと―地表のある面積内に住むミミズの莫大な数のこと―同じトンネルの入り口から排出された糞塊の重さについて―ある一定面積内で時間内に排出されたすべての糞塊の重さについて考える人は誰もが―私が信じるように、今からはミミズが自然の中で重要の役割を演じていることを疑わなくなるであろう。



第四章 古代の建造物の埋没に果たしたミミズの役割
[結論]

 この章の中で述べた事例は、ミミズがイングランドのいくつかのローマ時代の、あるいは、他の時代の古い建築物の埋没と隠匿に重要な役割を演じてきたことをしめしている。しかし、疑いもなく、隣接のより高い土地からの土の洗い流しとダスト(ちり、ほこり)の堆積とが一緒になって、覆い隠し作用に大きな力を貸したのである。古い壊れた壁が地面より少し飛び出して、それが避難場所の役目をしているところなら、ダストはどこでも堆積しやすかったであろう。古い部屋、広間、老化の床は一部は土地の固定によって沈むが、大部分はミミズによって下をつき崩されることによって沈下したものである。沈下は通常、壁の近くよりも中心部でより大きかった。基礎があまり深くないところにあるときは、壁はそれ自身、ミミズによってトンネルをあけられ、その下にトンネルが掘られ、その結果沈下してしまった。そのことによって起こった不均一な沈下は、多くの古代の壁が傾いていることだけでなく、たくさんの大きな割れ目が入っていることをも説明してくれるものであろう。



第5章 土壌の浸食へのミミズの活動
[結論]
 古代の建築物の上の糞塊の中の煉瓦のかけらはよくまるまっている。ミミズがすりつぶす力は地質学的な見地から見ても決して無意味ではない。

第6章 土壌の浸食(つづき)
[結論]
 草の生えた傾斜地を新しく排出された糞塊がころがり落ちることによって浸食が助長される。

第7章 結論

 考古学者はミミズに感謝すべきである。というのは、ミミズは地面の上に落とされた腐りにくいすべてのものを、その糞塊の下に埋めることによって、限りなく長い期間にわたって、それを保護し、保存してくれるからである。



解説

 ダーウィンはミミズについて2つの重要な主張をしている。その2つは、大地をかたちづくるうえではミミズの影響は方向性を持つという主張である。すなわち、岩石の粒子を砕いてしだいに小さな破片にしていき(土をかきまぜながら岩石の粒子に消化器官内を通過させることによって)、土をかきまぜることによって土をほぐし、ばらばらにする。そのあと重力と浸食作用によって土は高いところから低いところへたやすく移動していき、かくして地形は平坦になる。ミミズが生息する地域の地形が低くてなだらかなことは、大部分のところミミズによるゆっくりとではあるが持続的な働きの証しなのである。
 もう1つは、土壌を形成しかきまぜることで、ミミズはたえざる変化のただなかにあっても安定した状態を維持するというのである。<中略>ミミズは土壌の表層、いわゆる肥沃土を形成する<略>

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 進化生物学を学ぶアマチュアです。本業は数学教師です。ほとんど自己満足の日記と化してますが、コメントどんどん下さい。質問・議論・アドバイスも歓迎です。

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