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"Climbing Mount Improbable"

Climbing Mount ImprobableClimbing Mount Improbable
(2006/04/06)
Richard Dawkins

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 「不可能の山」というのは進化または自然淘汰のこと。
 この本は未翻訳のようです。

Ⅰ章
 "designoid"という概念の導入で、"accident"とも"design"とも区別しがたいものの事です。例えば、ナイフ代わりになる石の破片や人の顔の様に見える岩の影、これは偶然そうなったものです。それに対してナイフそのものも、Mt.Rushmoreの大統領の顔も人間が設計したものですね。では、"leafy sea dragon"や"pitcher plant"は、偶然そういう形になったのだろうか、それともなんらかの設計なのだろうか。これは、そのどちらでもなく第3のカテゴリー、つまり、"designoid"という概念で考えると良いとしている。
 また、コンピュータシミュレーションによる人為淘汰で自然淘汰の仕組みを説明している。
Ⅱ章
 クモの巣を例に自然淘汰の働き方を説明している。虫を捕らえるのに、ツバメやコウモリのような"flying swift solution"、カマキリやカメレオン、トカゲなどのような"sit and wait solution"、クモなどのような"net solution"があるとしている。そして様々に進化してきたクモの巣を紹介している。
Ⅲ章
 理論的な話で、「ダーウィン進化論は偶然起こる突然変異と偶然ではない自然淘汰に関する理論である。」「突然変異は偶然であるが、自然淘汰はそうではない。」と、何度も繰り返し強調して「(ダーウィンの)進化論は偶然の積み重ねである。」という誤解を解いている。
Ⅳ章
 サイズの生物学で、「体積(重さ)は長さの3乗に比例するが、表面積は2乗にしか比例しない。」ということから、様々な羽の進化を説明している。
Ⅴ章
 Ⅳ章と同じく自然淘汰の働き方の例として、眼の進化の説明。
Ⅵ章
 自然淘汰は生物に、進化の階段(原文では"Mount Improbable")を上がらせる圧力をかける。その圧力を淘汰圧というが、その強さと方向は様々であり、生物を様々に進化させる。どの生物も、それと少しだけ違った生物へと進化する可能性があり、どのように少しだけ違うかによってありとあらゆる種類の生物が進化し得る。それを、様々な貝の殻の進化を用いて説明している。この章は圧巻、感動した。原文タイトルは"The Museum of All Shells"
Ⅶ章
 生物の対称性の話で、「何故生物は左右対称か」という疑問から始まる。答えは「重力があるから上下には非対称、食道(口→胃→腸→○○)があるから前後には非対称、左右には非対称になる理由がない。」とあった。なるほど・・・。左右に対称でないことが生存上有利になる状況がなかったって事か。上下前後には非対称の方が確かに便利だ。
 そしてメインは対称な形の生物の話で、ヒトデや体細胞生物のうちで対称な形のもの、そしてムカデ、ムカデの場合は途中の体節はほとんど同じ形の連続になっている。これらの生物の特徴を「万華鏡的(kaleidoscopic)」だと言っている。そのような進化のお話。万華鏡って詩人だよなぁ、この人の文章詩的すぎ・・・。
Ⅷ章
 「(野生の)花は何のためにあるのか?」という質問から始まる。彼の娘ジュリエットの答え「2つあるわ、世界を可愛くするためと、私たちのためにハチが蜜を作るのを助けるため。」彼はジュリエットにそれは間違っていると説明したそうだ。偉いね・・・。そして問いは「生物は何故いるのか?」と発展する。本物のウイルスとコンピュータウイルスの比較の話をしながら、その答えを導く。
Ⅸ章
 花やゾウは、それらがウイルスのDNAの宿主であるのと同じように、彼ら自身のDNAの宿主でもあり、遺伝子とかDNAは「自分自身をコピーせよ。」というプログラムであり、宿主はそれを積んだロボットである。ウイルスの遺伝子は、「ゾウの細胞よ、私をコピーせよ。」というプログラムであり、ゾウの遺伝子は、「ゾウの細胞よ、一緒に働いて新しいゾウを造るプログラムを積んだ新しいゾウを造れ。」というプログラムである。
 各身体は、協調的な遺伝子と非協調的な遺伝子を持っている。非協調的なものは、ウイルスやその他の寄生生物の遺伝子で、協調的な遺伝子はヒトやカンガルー、ゾウなど自身の遺伝子である。しかし遺伝子は、協調的なものであれ非協調的なものであれ、「私をコピーせよ。」というプログラムを持っている。
 という話で、『利己的な遺伝子』で言うところの、生物=遺伝子を載せた機械である。というのと同じ事を言っている。
Ⅹ章
 イチジクとハチを例にした共進化の話で、結構複雑で難しかった。
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 進化生物学を学ぶアマチュアです。本業は数学教師です。ほとんど自己満足の日記と化してますが、コメントどんどん下さい。質問・議論・アドバイスも歓迎です。

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