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「人は海辺で進化した」

人は海辺で進化した―人類進化の新理論人は海辺で進化した―人類進化の新理論
(1998/03)
エレイン モーガン

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 人類が進化の過程のある時点で長い間水生生活もしくはかなりそれに近い状態であったとするアクア説についての本。ちょっと聞いただけでは眉唾と言うか、トンデモっぽいが、実際読んでみてもあまり納得はいかなかった。面白い話はいっぱい書いてあったけど。

p28 ほ乳類の場合、体重が重くなるにつれて皮膚もゆっくりとではあるが着実に厚くなっていくことが、マックス・クライバーによって実証されている。

 「ゾウの時間ネズミの時間」その他に何度か登場してました。

p36 サンショウウオの幼生が、いったん肺を持ったのち、それをまた捨て去る―つまり、えらをいったん捨てたのち、ふたたび一対のえらをはやして幼い時代にかえる―などといったことは、絶対にあり得ない。子ども時代や胎児期の特徴をおとなになっても保持している動物は数多いが、発育や成熟の正常なプロセスの中でいったんそれを失ったのち、またそれを獲得しなおす動物など、1つとして存在しないのだ。



p41 <ナショナルジオグラフィック・マガジン>誌の1975年3月号にはフエゴ諸島の原住民の行動についての研究が載っており、そこには、「女は子どもたちを髪の毛にしがみつかせたまま、長い時間を水の中で過ごす」という一節があるからだ。<中略>
 妊娠中には女性の頭髪が太くなるわけも、これで説明がつく。けっして、一本一本の毛が長く、つややかになるだけではない―もしそれだけのことなら、”性的魅力を増すために”頭髪は濃くなるのだという説明が、きっと持ちだされているはずだ。もっともこの場合には、そんな目的であるはずがないことははっきりしている。というのも、妊娠期間中に性的魅力を増したからといって、その種の存続に役立つなどということはあり得ないからだ。

フエゴ島の原住民、すごいな。
 確かに妊娠期間中に性的魅力を増す遺伝子は遺伝子プールで成功しそうにない。

p46 皮下脂肪の問題についてサバンナ説は、つぎのような仮説を立てることによって答えようとする―(a)狩りをする類人猿とその家族は、まず最初に、オスの体温が上がりすぎるのを防ぐために毛皮を脱ぎ捨てた。(b)だがやあて寒くなりすぎたために、(オスも含めて)皮下脂肪を発達させた。
 だが、そんなことがあり得るだろうか?毛包はまだ、体のいたるところに残っていたのだ。もし(気候の変化など)なんらかの理由が生じて、体毛を減らしたことが間違いだったと判明したのなら、進化の仕組みから見て、皮下脂肪などというまったく違うものを獲得するより、また毛をのばすほうがはるかに楽だったはずだ。霊長類は、各個体の一生というごく短い期間の中でも、気温の変化に応じて、ある程度は毛のはえ具合を調節することが可能だ。暖かい地方のサルがモスクワなど北の動物園に連れてこられると、その毛皮ははっきりと厚みを増すのである。

 暖かい地方のサルをモスクワに連れてった話はあまり関係ないと思うが、化石?からじゃないのかな。毛包がまだあったってどうして分かるんだろう。

p53 1956年にクヌート・シュミット=ニールセンは、ミミヒメウの体内の塩分と水分のバランスについての研究を行った。

 「スケーリング 動物設計論―動物の大きさは何で決まるのか」の著者です。いつか読みたいなと思っている。

p79 またR・D・マーティン博士も、「生殖、排尿、排便をすべて、背側に向かって開口した1つの排泄孔によって行うのは、原始的な陸生脊椎動物の特徴だが、人間の女性に見られる、腹側に位置した性器が胎児期の特徴を保持したものだとは、どうにも信じがたい」と述べている。

 カモノハシとかのことを単孔類って言うのは知ってたんだけど”単孔”ってどういう意味か子どもの頃から疑問だった。いつだか調べて解決し、感動した。

p118 嗅覚的信号はもはや、役に立たない。陸上では、においを含んだ空気を吸い込むことによってそれを知覚していたわけだが、水の中で空気は吸えない。

 水の中で空気は吸えないけど、匂いは感じるんじゃないかなぁ。と言うか匂いで獲物を見つける生物いっぱいいるわけだから。

p131 大きな動物ほど長生きする傾向がある、という一般的なルールが動物の世界にはある。種による平均的な寿命は、いくつかの要素と密接に関連しているのだ―大きな動物ほど心拍が少なく、一分間あたるの呼吸数も少ないのである。このルールはほとんど例外なくあてはまるものなので、ある哺乳類の平均的な寿命がどのぐらいかということは、呼吸を二億回するあいだ、あるいは心拍が八億を数えるあいだということから、だいたい算出できる(ただし人間だけは、このルールにあてはまらない。このルールによって算定された、”当然生きる権利のある”年月のじつに三倍もの時間を、私たちは生きつづけるのだ)。

 これも何度も読んだ話だが、人間って不思議な生き物なんですね。

p168 ある生理学上の理由から、両生類は海水には戻らず、真水の中だけに戻った。

 浸透圧の問題かなぁ。今読んでる本には海生の両生類出てきたけど・・・。

p175 ヒト科の生き物と、もっと類人猿に近い祖先とをつなぐ化石はいったいどこにあるのだろうか? 近年南アフリカで発見されたアウストラロピテクス類の化石は、類人猿とわれわれの共通の起源をさぐる大きな手がかりになりそうだ。だがアウストラロピテクス類以前の空白は、いまだに残っている。その空白が、人間がその時期、海の中で格闘し、そこで死んでいったために生じたのだとは、考えられないだろうか? その死骸はおそらく、獰猛な海の生き物たちに食べ尽くされてしまったのだろう。骨は小さく噛み砕かれてしまったのかもしれないし、半ば消化され、熱帯の海で腐って消えてしまったのかもしれない。おそらくはあまり遠くないうちに、熱帯の(海岸近くの)鮮新世の堆積物の中から、両者を結ぶ”ミッシング・リンク(失われた環)”が発見されるに違いない。

 化石が出ない理由として、食べられたとか消化されたとかおかしいでしょ。ほぼ全ての生き物は食われ、消化されるでしょう。

p187 新たな発見があった。水にもぐる哺乳類や鳥類にしか見られない顕著な水性生活への適応を人間もなしとげていることが、実験によってわかった。それは、いわゆる”潜水反射”と呼ばれるものである。なぜカイメンや真珠をとる人たちがあんなに長く水にもぐっていられるかも、この潜水反射によって説明できる。こうした反射が起こるのは、人間の顔が水面下に没した時だけだ。顔を覆うマスクをかぶっている時には、反射は起きない。顔をむきだしにしたまま水にもぐると瞬時にして、体の大部分に対する血液供給量が減る。ただし、脳と心筋にだけには、十分な血液供給量が保たれる。こうした反射は、クジラ、アザラシ、ペンギン、そして潜水するカモにも、典型的に見られる。人間も過去においてかなりの長期間、水にもぐる生活をおくっていなければ、自然選択によってこのような進化が起こるはずはない。今後やらなくてはならないのは、誰か生理学者に頼んで、全ての種類の類人猿について、簡単な実験をしてもらうことだけだ。類人猿を水風呂に入れ、ちょっとのあいだその顔を水につけて、その間の血流の変化を心電図で記録すればいいだけだ。もし人間だけに潜水反射が起こるのであれば、私の説にとっては万々歳だ!

 確かに強い証拠になりそうですね。古い本だから今実験は既にされているかもしれない。調べてみよう。
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theme : 生物学、生態学
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 進化生物学を学ぶアマチュアです。本業は数学教師です。ほとんど自己満足の日記と化してますが、コメントどんどん下さい。質問・議論・アドバイスも歓迎です。

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