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「進化から見た病気 ダーウィン医学のすすめ」

進化から見た病気 (ブルーバックス)進化から見た病気 (ブルーバックス)
(2009/01/21)
栃内 新

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 ダーウィン医学シリーズ第3弾!

1.「病気はなぜ、あるのか」
2.「迷惑な進化 病気の遺伝子はどこから来たのか」

 結論から言うと今までで一番ショボかった。一般に、「ダーウィン医学」ってどんなの?って人には上の2冊より読みやすいけど、逆に上の2冊読んだ人はこれを読む必要はない。おかしなことも書いてある。

p52 <略>頭髪や皮膚につくノミ・シラミ・ダニや、消化管内に住むカイチュウ・ギョウチュウ・サナダムシなどは<略>これらの大型寄生虫は、ヒトに対してそれほど深刻な症状を生み出さないばかりか、子供のアレルギーやアトピー症を抑える有益な働きがある

 これ、ホントかねぇ。この前テレビで有名な寄生虫博士?も言ってた。

p114 ヒトにおいても意外に速いスピードで進化が起こった例もある。乳糖の分解である。ほかの哺乳動物と同じように、ヒトでも乳児は母乳に含まれる乳糖を分解できるが、10代になると乳糖を作る遺伝子が働かなくなり乳糖を分解できなくなる結果、日本人には牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなる大人が多い。
 しかし、牧畜の開始とともに大人も牛乳を飲む習慣を持つようになった欧米人では、大人でも乳糖を分解できる。これは、もともとは大人になると働きを止める遺伝子が乳児期を過ぎても働くように変化(進化)したためと考えられている。牧畜が開始されたのは1万年くらい前のことなので、大人が乳糖を分解できるように進化するのに要した時間はほんの数千年ということになる。
 日本人では乳糖を分解できない大人が多いのは、多くの日本人が牛乳を飲むようになってからまだ100年も経っていないからであり、この先も牛乳を飲み続ける生活を続けていれば、欧米人と同じようにいずれは大人も乳糖を分解する能力を持つように進化する可能性もある。進化の力を信じるならば、そしてヒトの文明がヒトの進化を妨げないならば、ほかのさまざまなケースにおいてもそれを克服する進化が期待できるのかもしれない。

 うーむ。数千年かぁ、微妙だなぁ。というより、乳糖を分解できないだけで淘汰されるかなぁ。つまり適応度に差が出るかなぁ。かなり納得がいかないです。それと、確実に言えるのは日本人がこの先何千年牛乳を飲み続けようが適応度に差が出るわけないよね。

p126 ハンチントン病のような遺伝病が、なぜ進化の過程で淘汰されなかったのかは不思議であるが、ハンチントン病の遺伝子を持っているヒトでは、その遺伝子を持っていないヒトよりも多産の傾向があり、さらにがんの発生率が低いこともわかった。ハンチントン病のように、生殖年齢を超えてから発症する遺伝病では、同じ原因遺伝子の働きによって、子孫がたくさん残るという効果があることが、この病気の原因遺伝子を持ったヒトが増える理由になったと考えられている。

 ん?多産とがん発生率は統計的に事実としよう。
 生殖年齢を超えてから発症する遺伝病は他にもあるが、それらもその同じ遺伝子の働きによって多産や他の効果があるって言いたいの?おかしいよね。ハンチントン病に限ってだけ言いたいとしても日本語としておかしい。
 さらに、この遺伝子を持ったヒトが「増える」理由?「減らない」理由って言った方がいいんじゃない?屁理屈かなぁ・・・。厳密にはおかしいと思うんだよねぇ。

p168 極端なたとえ話をすると、自分の子供は残さずに他人の子供を改代するというプロの女性が出現することを考えてみればよい。ハチやアリなどのように進化によって、卵を生む女王と生まないワーカーが分離したわけではないのに、先端医療がそれを可能にしてしまったのだ。まだまだ実験的な段階とはいえ、これが広まるとヒトの進化に対して今までどおりの自然選択が働かなくなる恐れもある。この技術に関しては倫理問題として社会的関心は高いが、このようなダーウィン医学の観点からの議論もなされるべきだろう。

 今まで通りとはいつからいつまでのことだろう。ヒトという種が完全に分岐したあと以降ぐらいを想定しているのかな。それとも文明成立以降なのかな。文明化されて、さらに現代科学が発展するにつれ、ヒトには自然淘汰なんてもはやかかっていないと思うんだけど。少なくとも文明化以前と同じ働き方としてはね。それに、自然淘汰が働かなくなるといけないことが前提で話してるけど、それについても説明するべきかと。

p188 生物として生殖年齢を過ぎても、多くの人が生き延びる理由に「おばあさん効果」あるいは「おばあちゃん効果」と呼ばれている現象がある。フィンランドとカナダの教会に残されたたくさんの戸籍記録を統計的に解析して得られた結果によると、生殖年齢を過ぎた後に長生きした女性ほどたくさんの成人した孫を持っていたという。このことは、おばあさんが育児に参加することが、孫の生存率を上げたと解釈されている。
 今の日本では核家族化しているので同じ結果になるかどうかははっきりしないが、日本でもつい30年くらい前まではそうだったように、祖父母も含めた大家族で子育てをすると、父親・母親だけの場合とは孫の生存率が違ってくるということである。生殖年齢を過ぎた「老齢個体」が存在するということが、種としてのヒトの生存にとって有利だということは再認識しておいていいだろう。

 年齢が上がれば上がるほど孫増えるに決まってるじゃん!って一瞬思ったけど、そういうことを言いたいのではないみたいだね。(笑) よく言われる「親による子への保護投資」ってやつだね。ただヒトに当てはめるのはどうかと思うけどね。それに「種としてのヒトの生存に有利」って言った瞬間にパーですわ。今まで読んできて損したって感じ。だって進化学の基本のきですよ。それも分からず書いているのかなぁ。このあとも再度種の生存とか繰り返し言ってるけど、上手な説明が思いつかないからそう言ってるとして思えない。

 内容も上の2冊が参考図書に挙げられていたけど、その要約って感じでした。まぁ、上の2冊は普通の人はなかなか手を出さないと思うけど、これなら売れそうだもんね。ダーウィン医学という名前を広めるって意味では価値があるのかな。
 生物学科のよい子は買わないように。w
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「悪魔に仕える牧師」

悪魔に仕える牧師悪魔に仕える牧師
(2004/04/23)
リチャード・ドーキンス

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「利己的な遺伝子」のドーキンスによる科学エッセイ集

 生物学以外の話題も豊富でドーキンスファンには嬉しい。似非科学や宗教(ドーキンスは筋金入りの無神論者)をメッタ切りにしていて痛快だった。
 第7章娘のための祈りはWEB上で"Good And Bad Reasons For Believing"を読んでいたのでびっくり♪そのまんま載ってた。
 この文章はすごくいいです。普段の自分の思考回路と似ていたのでうんうん頷きながら読んでしまった。ググったら訳文もあった。「信じてもいい理由と信じてはいけない理由」高校生でも辞書を引けば読めるのでチャレンジ!!
 高校生はココ読んでないか・・・。(笑)

theme : 哲学/倫理学
genre : 学問・文化・芸術

「徳の起源 他人をおもいやる遺伝子」

徳の起源―他人をおもいやる遺伝子徳の起源―他人をおもいやる遺伝子
(2000/06)
マット リドレー岸 由二

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半分弱は「利己的な遺伝子」の解説みたいな感じ。同じエピソードや動物行動の例、説明の仕方がいくつかあった。
[タカハトゲーム、チスイコウモリの話、掃除魚の話、利己的な群れの話(確かあったよね)、




経済学と絡めて説明しているくだりは面白かった。


p74 1991年、完全装備した新石器時代の男性の五千年前のミイラがチロリアンアルプス高地の溶けだした氷河のなかから発見された。ミイラの装具は驚くほど多彩で精巧につくられていた。<中略>この不運なミイラは、発見者の二人のハイカーよりも他種類の装具を身につけていたといってもいいだろう。考古学者は、彼の装具のほとんどは専門の職人がつくったもので、関節炎にかかっていた関節にに彫りこまれた入れ墨も専門の入れ墨師がいれたものだろうと考えている。<中略>ある男は石器づくりに長けており、もう一人は獲物を探すのがうまい。三人目は槍投げが得意で、四人目は兵法家、といったことがあったはずだ。

 あぁ、これ話題になりましたねぇ。本も読んだ。とても面白かった記憶がある。発見したのは偉大な登山家メスナーなんだよね。
「5000年前の男」

p186 誘拐犯のジレンマ:誘拐犯はおじけづき、こんなことするんじゃなかったと後悔している。そこで犯人は誘拐した娘に、もしおれに不利な証言をしないなら逃がしてやろうと話をもちかける。だが解放してやれば、娘は感謝はしても、約束を守る理由がなくなってしまうので、まっすぐ警察に行くだろう。もう彼の力は娘には及ばないのだから。だから、娘が絶対に警察にはいいませんと約束しても、誘拐犯を納得させることはできない。そんな約束にはなんの意味もないことが彼にはわかっているからだ。約束を破ったところで娘は損をするわけではないのだ。実は、ジレンマに苦しむのは犯人ではなく、娘である、どうやったら、契約を絶対に守ることができるだろうか。約束を破ったら損になるようにするにはどうすればよいのだろう。

 これは面白い話ですね。


p215 生物学とは、規則の科学ではなく、例外の科学であり、大規模に統一された理論の科学ではなく、多様性の科学なのである。

 なるほど。

p282 ある著名な近代経済学者によれば、社会科学全体を通じて、真実かつ重要な命題はたった一つしかないという。それはデイヴィッド・リカードの比較優位である。

 それはサミュエルソンらしい。大学の時のゼミの先生の先生がサミュエルソンだったらしい。関係ないけど・・・。w

p338 チャールズ・ダーウィンは、直接トーマス・ホッブズの思想を受け継いでいる。ホッブズ(1651年)のあとを受け継いだのがデイヴィッド・ヒューム(1739年)であり、彼の跡継ぎがアダム・スミス(1776年)、そのまた跡継ぎがトーマス・ロバート・マルサス(1798年)で、マルサスのあとを継いだのがチャールズ・ダーウィン(1859年)である。ダーウィンが集団間の競争から個人間の競争へ考えを転換したのは、マルサスの著作を読んでからである。



 マット・リドレーは面白い本書きますね。「やわらかな遺伝子」「ゲノム23の物語」も面白かったもんな。

theme : 生物学、生態学
genre : 学問・文化・芸術

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Author:AmateurD
 進化生物学を学ぶアマチュアです。本業は数学教師です。ほとんど自己満足の日記と化してますが、コメントどんどん下さい。質問・議論・アドバイスも歓迎です。

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