スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「科学の目、科学のこころ 」

科学の目、科学のこころ (岩波新書)科学の目、科学のこころ (岩波新書)
(1999/07)
長谷川 真理子

商品詳細を見る
 進化生物学会会長長谷川真理子史のエッセイ
・コンコルドの誤り
・ハンディキャップの原理
・進化的軍拡競争
・サイエンティフィック・リテラシー
・ハロー、ドリー!
・ピルトダウンのいかさま
・ミツバチの労働

・サイエンティフィック・リテラシー

先日、わが大学の法学部学生に、「水力発電ではどのようにして電気を発生させるか」という質問をしたところ、「水を水素と酸素に分けるときに出る熱を利用する」などという突拍子もない答えが続出したが、中に、「そんなことは知らなくてもよい」という答えがあった。これは問題である。
 従来は、人間の築き上げてきた知識の体系には、大きく分けて人文・社会・自然の三つの分野があり、そのそれぞれについての知識を得るために、この三分野を習得するのだということであった。しかし、現代のサイエンティフィック・リテラシーには、それ以上に求められているものがあるはずだ。私たちの日常生活のすみずみまでに科学技術が入り込んできた結果、誰もが、ある程度科学について知らなければ、いろいろな事態に対して個人で正当な判断を下すことができない時代になってしまったのである。
 たとえば、医療におけるインフォームド・コンセントの問題、せっかく患者の人権を尊重し、自らの治療に関する自己決定の機会を与えようとしても、患者自身に、科学的にものを考える態度がなければ始まらない。個々の事実はその時教わればよいが、基本的な科学の方法に慣れていなければならない。また、環境にやさしい商品を選ぼうとしても、何に注意し、何を信用してよいのか、情報を整理し、情報の価値を判断し、複数の可能性を査定するなどの思考方法が必要である。

スポンサーサイト

theme : 生物学、生態学
genre : 学問・文化・芸術

「老化はなぜ起こるか」

老化はなぜ起こるか―コウモリは老化が遅く、クジラはガンになりにくい老化はなぜ起こるか―コウモリは老化が遅く、クジラはガンになりにくい
(1999/11)
スティーヴン・N. オースタッド

商品詳細を見る


p46 
 健康(それに寿命)にとって、農業の発達は必ずしもいいことずくめではなかった。まず、農業が起こって、ひとはあらゆる食糧をあさる必要がなくなり、そのぶん、食糧の多様性が低下した。単独ですべてのヴィタミンや栄養素を含んでいる食品はないから、食料の多様性が低下すれば栄養不足が起こっただろう。そう推測する根拠のひとつは、農業の開始とともに人類の身長が―15センチも―縮んだことだ。子どもから若者になる成長期に栄養が充分でないと、背丈は伸びない。事実、成人の身長が旧石器時代末期のそれに再び近づいたのは、栄養が豊かになった今世紀になってからだ。

 農業にそんな側面があったあんて。確かに納得は出来る。

p78
なぜ老化が起こるのか
「種の保存理論」
 現代の進化生物学者でこれを支持する者はいない。
 ところが、医学界にはまだ支持者がいる。この世界では進化生物学がほとんど理解されていない。

 複数の本で医学界は進化学に理解がないと書かれていた。

「生命活動速度理論」
 ドイツの生理学者マックス・ルブナー
p102 ミジンコの一生の総心拍数は、水温と関係なく一定であることだった。

 『ゾウの時間ネズミの時間』ですね。

7 進化論で老化を考える
 がこの本の中心的テーマだと思うので、詳しく。
p132
ハンティントン舞踏病のように遺伝子の欠陥が中年期以降に発現するなら、生殖に与える影響は小さく、人口からこの遺伝子を取り除く自然選択の力は弱まる、ということにホールデンは気づいていた。じっさい、遺伝子の発現が非常に遅ければ(生殖時期を過ぎてしまえば)、自然選択は遺伝子の運命に何ら影響を及ぼさない。遺伝子をもつ者の子どもの数に影響しないからである。自然選択という視点からみれば、遺伝子の影響は中立で、有利でも不利でもない。
 この事実は他の本でも以前に読んだことがある。進化学的にはごく基本的な事柄。
 
 ホールデン→メダワー
 「遺伝子が発現する年齢が高くなればなるほど自然選択の力が弱まる。」
 これは、読んだことある様な気がするけど、ちゃんと考え理解したのはこの本のおかげ。
<試験管の半数は自殺遺伝子をもっていて、10年たったとたんに壊れるとする。10年もつ試験管はほとんどないのだから、自殺遺伝子をもっている試験管ももっていない試験管と同じに平均的な数の子孫を残す。したがって、この遺伝子は自然選択に対して不利に働くことはない。いっぽう、半数の試験管が子だくさん遺伝子をもっていて、10年以降には産むベビー管の数が倍増するとしよう。この遺伝子も進化の過程で特に有利にははたらかない。この遺伝子が発現する年まで残っている試験管は皆無ではないにしても、ごく少ないからだ。
 自殺遺伝子と子だくさん遺伝子が5年で発現するとしたら、自然選択に対して多少不利、あるいは有利にはたらく。試験管が生涯に残す子孫の数に3%の確率で影響を及ぼすからである。これらの遺伝子が2年で発現すれば、子だくさん遺伝子は非常に有利になり、自殺遺伝子は非常に不利になる。子だくさん遺伝子をもっている試験管はもっていない試験管よりも多数を占めるようになるだろう。同じく、自殺遺伝子は進化という点ではきわめて不利にはたらく。この遺伝子をもつ試験管はほとんど子孫を残すことができず、やがて淘汰される。
 試験管は毎年一定の割合で壊れるから、遺伝子が発現する年齢が高くなればなるほど、遺伝子の衰勢に自然選択が及ぼす影響は小さくなる。ここで、自然選択の力が低下していく率は、環境の相対的な「敵対性」に左右されることに注目して頂きたい。この事実は、このあとを考えるときに重要なのだ。さきほどの試験管が、脅迫的なほど注意深い科学者の集まっている研究所で使われていて、年に50%ではなく5%しか壊れないとしよう。すると、10年以降に発現する遺伝子の運命は、自然選択にきわめて大きく影響される。10年たっても60%の試験管がまだ「生存」し、再生産を続けているからである。>

「後発性遺伝子については自然選択の力が低下する。」
(1)高齢になってから身体に影響を及ぼす遺伝子は、自然選択の影響を受けず、そのために破壊的な悪影響を及ぼす遺伝子であっても、自然選択によって排除されえない。
(2)ほとんどの遺伝子は複数の影響を及ぼす。ある遺伝子が若いうち、つまり自然選択が協力にはたらくうちは良い影響を及ぼしても、自然選択が弱まる後年には悪影響が出るとしたら、こうした遺伝子はたとえ後年、破局をもたらしても、自然選択には有利である。

p150
 フクロネズミの急激な老化に関して、わたしはこんな仮説をたてた。あらゆる捕食者を考えれば、フクロネズミの環境はきわめて厳しい。思い出していただきたいが、きわめて敵対的な環境、すなわち事故死の確率が高い場合には、自然選択の効果は年ともに急激に低下する。敵対的な環境では、動物に与えられた時間は非常に短い。これから数週間か数ヶ月の内に捕食者に殺される可能性が高いとしたら、永続的で効果的な免疫システムやフリーラジカル防御策に資源を割いても無駄というものだ。進化という目から見れば、できるだけ繁殖に力を注いだ方がいいし、早ければ早いほど望ましい。直感的にも、そのほうが理にかなっている。どんなに熱心な禁煙主義者でも、戦闘中の兵士や死刑囚房にいる囚人に、タバコは身体に悪いと説教したりはすまい。

p157
セメルパリティ:1回だけの自殺的な激しさで繁殖、あるいは子育てをすること
「種の保存理論」や「生命活動速度理論」では説明が付かない。
「進化論的説明」生殖に適切な状況を確保するのがきわめて難しく、危険な環境の性で二度以上の繁殖の可能性がほとんどないという生態学的環境への適応。
動物のサイズと寿命との関係
大きな動物は環境悪化による死亡の確率が小さいという単純な事実で説明する。危険率が低ければ、老化は遅くなる。

p202 カラハリ砂漠のブッシュマンの女性は、若い母親の授乳期間は2~3年だが、年輩の母親は8~10年
p216
変異:コピーのプロセスで起こる誤り

theme : 生物学、生態学
genre : 学問・文化・芸術

2009年

 2009年はダーウィン生誕200年、『種の起源』出版150年ですね。

 まさにダーウィンイヤーです。これからもしっかり勉強しよう♪

theme : 生物学、生態学
genre : 学問・文化・芸術

プロフィール

AmateurD

Author:AmateurD
 進化生物学を学ぶアマチュアです。本業は数学教師です。ほとんど自己満足の日記と化してますが、コメントどんどん下さい。質問・議論・アドバイスも歓迎です。

カテゴリー
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
リンク
ブログ内検索
月別アーカイブ
RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。