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ジョーク

 トラから逃げている2人の男


「何のためにそんなことをしているんだい?ジョギングシューズを履いたって、トラより速く走れないよ。」
「そうさ。でも、君より速く走れるよ。」
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theme : 生物学、生態学
genre : 学問・文化・芸術

「生き物たちの神秘生活」

はじめに
 この書物には、1975年から1993年にかけて発表したエッセイが収められている。
 私はそこで、根源的ではあるが、それだけに分かりにくい事柄をふたつ論じた。そのひとつは「自然(ネイチャー)」である。自然と称される世界の一部分は、別段われわれを必要とせず、われわれを越えたところで永遠に続くのだが、また、われわれヒトという種を育んできた揺りかごだとも考えられている。
 もうひとつは「人間の本性(ネイチャー)」である。つまり、われわれの感覚と感情を形作る本質、ヒトのそもそものあり方を論じようとした。

生き物たちの神秘生活 (Natura‐eye Science)生き物たちの神秘生活 (Natura‐eye Science)
(1999/01)
エドワード・O. ウィルソン

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脳には、次のような学習傾向がルールとして組み込まれている。ヘビのような形態を持つあらゆる物体に対し、すばやく警戒せよ。身を守るためにこの特別な反応を過剰なまでに学習せよ。
(中略)
実験室で育ち、以前にヘビを見たことがないサルでも、ヘビを見れば、野生で捕らえられたサルと同じような反応を示す。ただし、野生の猿より反応は弱い。

 ミネカの実験も出てきた。やはり重要な論文なのだろうか、読んでみよう。

 人々は、これまた遺伝的特質のゆえに、前もって計画が立てられるのは、せいぜい一~二世代後のことまでにすぎない。人々は日々の生活で起こる深刻な問題や対立に腐心し、自分の地位や部族の安全をほんの少しでも脅かすものが現れると、迅速果敢に対処する。ところが、心理学者が発見したところによると、奇妙にも、人間は大地震や大嵐などの自然災害が起こる可能性やその影響を過小評価する傾向がある。
(中略)
昔は、遺伝によって短期的思考傾向を備えた個体の方が、そうでない個体よりも長命で、多くの子どもを残すことができたのだろう。未来を考慮することは、自然淘汰を生き延びるうえで、つねに分が悪く作用したのである。

 それは確かにそうプログラムされているのかも知れないが、脳の働きでそれは押さえられるのではないのか。短期的ではなく長期的に判断する文化を持った集団はそうでない集団より生き延びるのではなかろうか、そういう文化人類学的な研究はないのかなぁ。
 全体的にそうだったが、生物学で社会が説明できそうなことをほのめかしたり、人間と動物を同列に扱いすぎたりする傾向がある。ちょっと言い切りすぎて論理的な説明ではないなと感じるところが多々あった。エッセイだから構わないけど。

 この人の本を読むなら何が良いかなぁ、「社会生物学」?高い・・・。「集団の生物学入門」は面白そうだけどもっと現代化されたやつ読んだ方がよさそう。「人間の本性について」かなぁ。それか島嶼生物学の論文も興味ある。それとも「ナチュラリスト」?

ノート

南極大陸を除くすべての大陸に毒蛇がいる。

社会生物学:心理学と動物行動学という伝統的な学問の組み合わせから事実と概念を導きだし、遺伝学と生態学にしたがって新たに組み立て直す。

theme : 自然科学
genre : 学問・文化・芸術

「『性』の不思議がわかる本―♂と♀の進化生態学」

 私たちは、なぜ配偶者なしに子供がつくれないのだろうか。大部分の生物に「性」があり、有性生殖をしていることは、生物学者の間でもあまり認識されてこなかった進化生物学上の難問である。
 本書では、いろいろな動物・植物の例を取り上げ、有性生殖の意義、性の決まり方、雌雄の機能を同時に働かせていたり性転換したりする生物のしくみ、体の大きさなどの雌雄の違いや両性の数のバランス、さらには、動物に見られる多様な配偶システムなど、「性」にかかわるさまざまな現象を進化生態学の視点からわかりやすく紹介する。
「性」の不思議がわかる本―♂と♀の進化生態学「性」の不思議がわかる本―♂と♀の進化生態学
(1991/02)
P.J. グリーンウッドJ. アダムズ

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 さまざまな例が列挙されている感じ

 理論的には、ハセマリやドーキンスの著作で読んだことを大きく越えるようなものはなかった。ただ、ものすごく例が多いので、分かりやすいが、少し冗長。
 進化生態学ってこういうのなのね。

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theme : 生物学、生態学
genre : 学問・文化・芸術

「病気はなぜ、あるのか」

医者と痛風患者の会話


普通バージョン
「それで、私の足指がこんなに腫れているのは痛風だということですね? なんで痛風になるんですか?」
「痛風は、関節液の中に尿酸の結晶ができることが原因です。ざらざらした結晶があったら関節が痛くなるのは、すぐおわかりでしょう?」
「どうして私だけなって、先生はならないんですか?」
「尿酸レベルの高い人というのがいましてね。たぶん、遺伝子と食事の組み合わせでしょう。」
「じゃあ、どうしてからだはもっとうまくできていないのでしょうねえ? もっと尿酸レベルを下げるようなシステムがあってもよさそうだと思いませんか?」
「そうですね、でも、からだに完璧を求めても無理というものでしょう?」

ダーウィン医学
「それはいい質問ですね。ヒトの尿酸値レベルは、他の霊長類よりもずっと高く、その種の尿酸値のレベルと寿命はよく相関していることがわかっています。寿命が長いほど、尿酸レベルが高いのです。尿酸は、どうやら、老化の原因である酸化の影響から細胞を守る働きをしているようなのです。ですから、私たちの祖先は、自然淘汰によって、高いレベルの尿酸値をもつようになったのでしょうね。そこで、このレベルが高い方が寿命の長い生物にとっては有利なので、ときどき痛風になる人が出てきても、尿酸値は高く保たれているのでしょう。」
「それじゃ、尿酸値が高いと老化が防げるのですか?」
「基本的にはそのようです。しかし、今のところ、尿酸値の高い個人がとくに長生きするのかどうかはわかっていません。ともかく、足の指がそのままでは嫌でしょうから、尿酸値を正常範囲に下げて痛風を押さえ込もうとしているところです。」
「それでよくわかりました、先生。」


病気はなぜ、あるのか―進化医学による新しい理解病気はなぜ、あるのか―進化医学による新しい理解
(2001/04/15)
ランドルフ・M. ネシージョージ・C. ウィリアムズ

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 「なぜ?」に対する答えは2種類ある。
 なぜ、心臓発作になるのか?
至近要因:からだがどのようにして働き、なぜ、病気になる人もいれば、病気にならない人もいるのかを説明する。
究極要因(進化的要因):これは、さらに過去にさかのぼって、なぜ、私たちが、現在のように設計されているのかと問うものである。心臓発作を研究するにあたって、進化生物学者は、なぜ、自然淘汰は、脂肪を欲しがったり、コレステロールを堆積させたりする遺伝子を排除してこなかったのかを知りたいと思う。
 もちろん、この2つは二者択一のものではない。どの形質を理解するにも両方が必要なのです。本書は、ダーウィンの自然淘汰の理論を基礎として、さまざまな病気に対して究極要因を考えてみようというものです。

【すべての医学の教科書は、その進化的視点に1章をあてるべきである。】
1.症状のうちのどれが病気によって直接引きおこされるものであり、どれが実はからだの防御反応であるのか?
2.病気に遺伝的な要素がある場合、それを引きおこす遺伝子はなぜ存在し続けているのか?
3.新奇な環境要因は、その病気に関与しているか?
4.もしも病気が感染性のものならば、病気のどのような側面が宿主にとって有利であり、どの側面が病原体にとって有利であるのか、そのどちらにも当てはまらないものは何か? われわれの防御を打ち破るために病原体はどのような戦略をとっているか、そのような戦略に対抗するために私たちがもっている戦略は何か?
5.私たちが進化の妥協の産物としてもっているどんなからだの特徴または、歴史的な遺産が、その病気にかかりやすくすることにかかわっているか?

 進化がカリキュラムに加えられたならば、学生たちに、病気について新しい視点を提供するばかりでなく、それなくしては何百万もの個別の知識の寄せ集めであるものに対して、一つの統合的枠組を提供することができるだろう。ダーウィン医学は、さまざまな知識の寄せ集めである医学教育に、知的な統合をもたらすのである。


医者と患者の会話が面白く、この本のテーマをよく伝えると思うので

連鎖球菌性咽頭炎


「さて、これは連鎖球菌性咽頭炎ですから、七日間ほどペニシリンを飲む必要があります。」
「それで、早くよくなるんですよね?」
「たぶんそうでしょう。それに、あなた自身のからだが細菌と闘うために作っている免疫物質のせいで、リウマチ熱のような病気を併発する恐れも、これで少なくなるはずですよ。」
「しかし、どうしてからだは、自分の心臓を攻撃する物質を作るよりも、もう少しましにできていないんでしょうね?」
「それはですね、連鎖球菌は人間と一緒に何百万年も進化してきており、彼らが使うトリックは、人間の細胞の暗号をまねることなのです。そこで、こちらが連鎖球菌を攻撃する物質を作ると、その抗生物質は、私たち自身の組織を攻撃する危険が出てきてしまいます。私たちは連鎖球菌と競争しているのですが、連鎖球菌の方が私たちよりもずっと早く進化するので、私たちは勝てないのです。向こうは、一時間かそこらで新しい世代になりますが、私たちは二十年もかかりますからね。ありがたいことに、まだ彼らを抗生物質でやっつけることができますが、それも一時的なものかもしれません。気分がよくなってからもしばらく抗生物質を飲み続けると、あなた自身のためにも世の中のためにもなります。というのは、そうしないと、抗生物質に短期間さらされても生き残っていけるような変異株を助けてやることになり、そういう抗生物質耐性菌が広まると困ったことになりますからね。
「それで、どうしてこんなに大きな瓶の薬を全部飲まねばならないのかがわかりました。」

心臓発作


「それで先生、私のコレステロール値が高いのは遺伝子のせいだとすると、食事をかえてもどうにもならないのでしょうか?」
「そういう遺伝子は、私たちが進化してきたころの通常の環境では、何も悪さをしないのですよ。毎日、食べ物を見つけるために六時間から八時間も歩いていて、食べ物のほとんどが炭水化物と野生の動物の赤肉だったなら、心臓病にはなりません。」
「しかし、どうして私は、先生に食べてはいけないと言われたものばかり食べたいのでしょうね? ポテトチップもだめ、アイスクリームもだめ、チーズもだめ、ステーキもだめ。先生方は、おいしいものは何でもだめと言うんじゃないですか!」
「どうやら私たちは、アフリカのサバンナではめったに手に入らない、少量で重要なある種の物質を欲しがるように作られているらしいのです。私たちの祖先が、塩分、糖分、脂肪を含んだものを見つけたときには、できるだけたくさん食べるのが彼らにとってよかったのでしょう。今では、塩も砂糖も脂肪も、スーパーのカートに品物を放り込むだけでふんだんに取れるようになってしまったので、私たちは、祖先達の二倍の脂肪をとり砂糖や塩は何倍もとっています。おっしゃるとおりです。私たちはからだに悪い食べ物ばかり欲しがるなんて、悪い冗談のようだ。健康な食事は、現代の環境では簡単に手に入りません。頭と意志を働かせて、原始的な欲望に打ち勝たねばならないんです。」
「それでもやっぱり、好きな食べ物をあきらめたくはありませんね。でも、これで理解はできましたが。」


 非常に面白かった。まるまる3つ挙げましたが、医者と患者の会話が分かりやすいのではないでしょうか。誰しも体験あると思います。医者に質問をして、答えを聞いても、「そういうこと聞いてるんじゃないんだよなぁ、まぁいっか。」みたいに思ったこと。一般的に医療やなんかに興味ある人にも楽しめると思いますし、役にもたつ。また、進化学系の勉強をしている人にも勉強になります。適応論的な考え方が多数の例で示されていますから、しかも著者の1人はG・C・ウィリアムズですから。
 ウィリアムズの文章は読みやすいです。論理がはっきりしているというか、1つの段に多くのことを詰め込まないで何が言いたいのかがよくわかる。おかしな話ですが、英語の文章を読んでいるみたい。

 ダーウィン医学の本はいくつか他にも出ているんですよね。読みたいなと思ってるのは
ヒトはなぜ病気になるのか (ウェッジ選書 27)ヒトはなぜ病気になるのか (ウェッジ選書 27)
(2007/05)
長谷川 眞理子

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人はなぜ病気になるのか―進化医学の視点人はなぜ病気になるのか―進化医学の視点
(2000/12)
井村 裕夫

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本当のところ、なぜ人は病気になるのか?―身体と心の「わかりやすくない」関係本当のところ、なぜ人は病気になるのか?―身体と心の「わかりやすくない」関係
(2008/07/08)
ダリアン・リーダーデイヴィッド・コーフィールド

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迷惑な進化―病気の遺伝子はどこから来たのか迷惑な進化―病気の遺伝子はどこから来たのか
(2007/08/25)
シャロン・モアレムジョナサン・プリンス

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進化医学からわかる肥満・糖尿病・寿命進化医学からわかる肥満・糖尿病・寿命
(2008/02)
井村 裕夫

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遺伝子―生・老・病・死の設計図遺伝子―生・老・病・死の設計図
(1999/07)
スティーヴ ジョーンズ

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「退化」の進化学 (ブル-バックス)「退化」の進化学 (ブル-バックス)
(2006/12/20)
犬塚 則久

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人体 失敗の進化史 (光文社新書)人体 失敗の進化史 (光文社新書)
(2006/06/16)
遠藤 秀紀

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あたりです。

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theme : 医療・病気・治療
genre : 心と身体

「動物の社会―社会生物学・行動生態学入門」

動物の社会―社会生物学・行動生態学入門
 社会生物学の基本的な教科書、初めにダーウィン理論の基本的な説明がありその次に包括適応度・血縁淘汰・ESSなどに触れ、各論に入る。またおきまりの紹介文になるけど、生徒に社会生物学ってどういうの?って聞かれたら基本的なダーウィンの理論を知っているならこの本を薦める。知らないなら自分で説明するか、うーん、どの本を薦めるかなぁ・・・。

 「(真)社会性」とは、なにか。それの何が問題で、ダーウィンはどう考えたのか。そして現在ではどう解決されているのかが、段階的によく分かる説明になっている。高校生物程度のメンデルの法則と、突然変異・自然淘汰の基本が分かっていれば理解できると思います。非常によい本だと思います。改訂版も出ているようなので手元に置いておきたい本です。
新版 動物の社会―社会生物学・行動生態学入門新版 動物の社会―社会生物学・行動生態学入門
(2006/08)
伊藤 嘉昭

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ノート
繁殖成功度(reproductive success)=適応度(fitness):1匹の親当たり、どれだけの繁殖可能な子が出来るか
血縁淘汰(kin selection):自分の残せる子どもだけでなく血縁者の残せる子というバイパスを通じて働く自然淘汰。

ホィーラーのサブソシアン・ルート
1) ハチの祖先はこんにちの広腰亜目(ハバチ、キバチ)のように宿主植物に卵を産みつけるだけの生活をしていた。
2) その中にエサを他の昆虫やクモにかえたものが生じた。すなわち寄生バチ(細腰亜目・有錐類)である。
3) 寄生バチのなかの土中の昆虫に寄生する種のなかに、産卵のとき宿主を麻酔するものが生じた。これがツチバチの仲間(以下細腰亜目・有剣類)で、宿主が動きまわるものに比較して、卵の死亡率が低くなったと思われる。
4) おそらく原始的なツチバチの仲間のなかに穴を掘ってそこに麻酔した宿主を入れ、卵を産んでから穴の口を閉鎖するものが生じた(一括給食)こういう生活はベッコウバチ、アナバチの仲間に多い。
5) その仲間に、エサを一度に用意するのでなく、幼虫がかえってからもエサを補給するものが現れた。(随時給食)。ここでは母が直接幼虫を世話している。しかし幼虫が蛹になる前に母は世話をやめ、他の巣を作り始める。一部のベッコウバチ、多くのアナバチ・原始的なスズメバチの仲間のドロバチなどにみられる。
6) 随時給食するハチのなかに、母があとから産んだ子の世話をしているあいだに娘バチが羽化し、母娘2世代の成虫が共存するものが生じた(母娘共存)。
7) このグループのなかに娘バチが外に出てエサを集め、巣へ持ち帰って弟妹に給餌し、母はあまり採餌に出ず産卵を続ける種が生じた。こうして母娘間の繁殖分業を基礎とする共存が始まった。最初は母も働き、娘も少しは卵を産んだが、最後には母は働かず、娘は産卵できないミツバチのような社会が出現した。
1-4:孤独性
5-6:亜社会性
7:社会性(真社会性)

ミッチナーのパラソシアル・ルート(セミソシアル・ルート)
1) 同種のメスたちが狭いところに集まって巣を作る段階(集合巣)
2) アパートのように入り口が1つの共同の巣の段階(共同巣)
3) 他人の子にもエサを与える段階(共同育仔)
4) この共同生活の過程で(順位制によってか、フェロモンなどによる生理的抑制によって)一部のメスが産卵しなくなり、カスト制へ行こうすることもありえた。

ダーウィンの性淘汰
フィッシャーのランナウェイ説
ザハヴィのハンディキャップ説

縄張り(territory):動物が占有し、同種の他の個体に対して防衛する地域
行動圏(home range):防衛しないでいつもそのへんで活動する地域
local mate competition=LMC:交尾が局所に限定されている結果、少数のメスの息子同士が限られた数のメスをめぐって競争しなければならない条件

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theme : 生物学、生態学
genre : 学問・文化・芸術

プロフィール

AmateurD

Author:AmateurD
 進化生物学を学ぶアマチュアです。本業は数学教師です。ほとんど自己満足の日記と化してますが、コメントどんどん下さい。質問・議論・アドバイスも歓迎です。

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