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ユリカモメの雛食い

チドリ目カモメ科カモメ属(Larus ridibundus)
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 ユリカモメは大きなコロニーを作って営巣しますが、その巣と巣はわずか数十センチしか離れていません。かえりたての雛は小さくて無防備で、捕食者にとっては大変飲み込みやすいのです。あるカモメは隣のカモメが巣を離れるのを、たぶん魚をとりに出かけるのを待って、そのカモメの雛に襲いかかり、丸飲みにしてしまうことがよくあります。こうして、そのカモメは魚をとりに行く手間を省き、自分の巣を無防備な状態にさらさないで栄養豊かな食物を手に入れることができます。
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genre : 学問・文化・芸術

カマキリの共食い

カマキリ目カマキリ科
カマキリ目ヒメカマキリ科
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 大型の肉食性の昆虫であるカマキリはふつうハエのような小形の昆虫を食べますが、動くものならほとんど何でも攻撃します。交尾の際には、雄は注意深く雌に忍び寄り上に乗って交尾します。雌はチャンスがあり次第雄を食べようとします。雄が近づいていくときか、上に乗った直後か、離れたあとかに、まず頭を咬み切って食べ始めます。雌は交尾の終わってから雄を食べ始める方が良さそうに思われるかもしれませんが、頭がないことは、雄の身体の残りの部分の性的行為の進行を止めることにはならないようです。実際、昆虫の頭は抑制中枢神経の座にあるので、雌は雄の頭を食べることによって、雄の性行為を活発化することが出来るのです。もしそうであれば、これは利点を増やすことになります。もちろん、第一の利点は、雌が上等な食物を手に入れるということです。
 この行動は、雌が自分より小さくて動くものに飛びつくという習性に従っているにすぎないと考えられています。また、このような習性はクモなど他の肉食性の虫でも見られ、特に珍しいことではありません。

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ハヌマンラングールの子殺し

霊長目オナガザル科ハヌマンラングール属(Semnopithecus entellus)
ハヌマン・ラングール

 インド北部に生息するハヌマン・ラングールはハーレムを形成し、ボスが雌のグループに対する性的接触を独占しますが、もっと強い雄が現れてハーレムを力ずくで乗っ取り、ボスの交代が起こると、新しい雄は離乳前の子どもを殺そうとします。子ザルを殺された母親はまもなく授乳が止まり、発情を再開します。雌はわが子を殺した相手の求愛を受け入れ、その雄は雌の次の子どもの父親となります。雄の繁殖にとって潜在的な資源である母ザルは、子ザルの死によって実質的な資源に変わるのです。従って、子殺しは雄にとっては適応的なのです。反対に、雌にとっては仔を殺されるのは明らかに適応的ではありません。雌たちはしばしば姉妹や近親どうしであるので、狙われている子ザルが生き延びることに関して、遺伝的利益を共有しています。そのため、群れの雌同士が協力して子を隠したり守ったりすることがあります。しかし残念ながら雄は雌よりも大きく、腕力でもはるかに勝っているため、たいていは子殺しに成功してしまいます。

 この行動は発見された当初はその行動のあまりの突飛さ、残虐さにより、そして当時考えられていた「種の利益」にそぐわず、ほとんど認められませんでした。しかし、その後アフリカのライオンにおいても同様の行動が発見されました。タンザニアのライオンも、単独の雄が複数の雌を抱えて繁殖し、雄が入れ替わった際に新しい雄は群れの中の乳児を殺すことがあります。この発見によって、ハヌマンラングールの例も広く認められるようになったのです。その後さらに、複数のサル類やジリス、イルカなどでも同様の行動が確認されています。

 なお、ハヌマンラングールはインドから東の地域にも分布しますが、その地域では雄は単独でハーレムを維持するのではなく、雌の群れに複数の雄がいます。その地域では上記のような子殺しの行動は見られないそうです。このような子殺しの行動は、単独の雄と複数の雌でハーレムを形成するタイプの動物特有のものと考えられています。

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コウテイペンギンの突き落とし

ペンギン目ペンギン科(Aptenodytes forsteri)
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 南極のコウテイペンギンたちは、アザラシに食べられる危険があるため水際に立って飛び込むのをためらっていることがあります。彼らのうち一羽が飛び込みさえすれば、残りのペンギンたちはアザラシがいるかどうかを知ることができますが、当然誰も自分がモルモットになりたくはないので、全員がただひたすら待っているのです。そしてときどき互いに押し合って、誰かを水中に突き落とそうとさえするのです。

動物行動学者・日高敏隆さんの話より

 日本人の社会は、ペンギンの集団に似ている。氷山のヘリに立って海に飛び込もうとするペンギンは、実は海の中にシャチがいるのではないかと怖がっている。だから自分が最初に飛び込むことはだれもしたくない。
 そこで大勢のペンギンが氷のヘリで押し合いへし合いをし、誰かを無理やり海の中へ突き落とします。そして、そのペンギンがシャチに襲われないのを確認して、全員が海へ飛び込みます。
 このペンギンの集団、まことに現代の日本の社会とそっくり。そこではみんな責任のなすり合いで、運の悪いものが海の中に突き落とされ責任をとらされる。
『赤信号 みんなで渡れば 怖くない』
こんな標語がはやるのも日本ならでは。


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ヒイラギの発光

スズキ目ヒイラギ科ヒイラギ属(Leiognathus nuchalis)
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 海面近くを群で泳ぐイワシやサンマ等は背ビレ側が青黒く、お腹側は白っぽくなっています。海上の鳥たちからは海にとけこみ目立たなくなり、下から狙う捕食者たちには明るい水面にあわせて影を消しているのです。これは一般に counter shading (体表の光のあたる部分が暗い色に、陰になる部分が明るい色になっている)という適応として知られています。こうした配色では魚はどの方向からでも見えにくいのです。しかし魚の腹部がどんなにまっ白であったとしても、明るい水面を背に下から覗かれれば黒く見えるに違いありません。なぜなら見る者と光源との間にあるものが光源より明るく見えることはないからです。例えばまっ白な雪も灰色の空に見上げると灰色より濃く見えることがあります。経験がある人もいるのではないでしょうか。この雪片と同じことが、魚にもあてはまるのです。
 この問題に画期的な解決法を持つ魚の中にヒイラギというのがいます。ヒイラギには、発光腺があり発光細菌 Photobacterium Leiognathi が共生しています。またその背後には特定の方向に光を送る反射板まで備わっています。発光腺は体の奥深くにありますが、光は内臓を通して下方を照らします。ヒイラギは小さな魚でその組織はいくぶん透明なので光は外に漏れて腹部の表面のあたりをぼーっと照らし出すのです。上方から少しでも光が差していれば、下にいる捕食者には頭上の光を横切るヒイラギの影が見えますが、その光にあわせて腹部から光を発して影を消すことができれば見つかる可能性は低くなります。実験をしてみると、上方からの薄明かり以外に照明のない屋内の水槽内でヒイラギは光を放ちました。それは自分よりも低い位置にある視線にたいして自分の影を消すためなのです。

 ちなみに名前の由来は植物の柊(ヒイラギ)です。柊の葉のように扁平で棘も似ていることから名が付きました。魚で木偏の付く名前はヒイラギだけです。また薄い体型なのに硬くて強い骨を持っていることからネコ殺しとかネコまたぎという別称も多いそうです。英語ではスリップマウスと言うのですが、これは口を伸ばしエサを吸い込むようにして食うことから来ています。学名のレイオグナータスも滑らかなアゴという意味です。

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 進化生物学を学ぶアマチュアです。本業は数学教師です。ほとんど自己満足の日記と化してますが、コメントどんどん下さい。質問・議論・アドバイスも歓迎です。

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